■ 謹賀新年「春の海」
2012年1月3日
あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします。
お正月だけは、どこに行っても箏の音が流れてきます。
日本文化に親しむ機会が少なくなった日本人は、新年を迎えるときだけは自国の文化に思いを馳せるようで、お雑煮とおせち料理をいただき、着物を着て初詣に行き、箏の音を聴くと正に“お正月”気分です。
宮城道雄作曲の「春の海」を「お正月の曲」と思っている方が多いようですね。
この曲は昭和4年の12月に皇居歌会始の勅題「海邊の巌」に因んで作曲されました。ですから、お正月の曲、といういい方はある意味正しいでしょう。誰もが認める、箏の代表曲・・・箏と尺八の二重奏曲です。日本音楽と西洋音楽を見事に融合させたこの曲には箏の様々な奏法が使われていて、楽器の特性が十分に活かされています。尺八の音色も存分に堪能できます。正に邦楽と洋楽のコラボレーションの草分けです。
あらためて箏と尺八の音の美しさを感じていただけたら嬉しいです。(理)